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定額残業手当は欠勤控除できるのか

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月の途中で入社もしくは退職した場合や、欠勤控除を行う場合など、定額残業手当(固定残業手当)を日割り計算して控除しても良いものか迷ったことがある人も多いのではないでしょうか。

 

 

定額残業手当は、欠勤控除できる

定額残業手当の欠勤控除に関しては法的定めがないため、就業規則でルールを定める事で運用される事になります。

つまり、就業規則に固定残業手当を控除の対象とすること、また控除する場合の計算方法等を明記しておけば、定額残業手当を欠勤控除の対象とすることが可能です。

 

したがって、月中途入社や月途中退職に係る日割り計算についても、具体的な計算方法を定められた上で、働いていない日数分を控除することは問題ありません。

 

注意点

定額残業手当の金額を超える残業を行った場合は、当然、時間外労働手当は満額支給されます。

欠勤控除を行った結果、実際の時間外労働の賃金が、欠勤控除した後の定額残業手当よりも大きい場合は、オーバーした分の残業代を支払わなくてはなりません。

 

具体的事例

給与の日割り計算につきましては法的な定めがないため、就業規則に基づき計算します。

ここでは末締めで月所定労働日数が20日(160時間)の会社を例に説明します。

 

基本給200,000円、固定残業手当31,250円(20時間分)の従業員が月の途中で退職した場合で、最終月は15日出勤したとします。

 

固定残業手当も日割り計算する場合の計算は、以下の通りです。

基本給:200,000円 × 15日 ÷ 20日 = 150,000円

固定残業手当:31,250円 × 15日 ÷ 20日 = 23,438円

 

上記の仮定で、もし実際の残業時間が18時間だった場合、

時間外労働手当:

200,000 ÷ 160時間 × 1.25 × 18時間 = 28,125円

28,125円 - 23,438円 = 4,687円

 

となり、固定残業手当 23,438円 に加えて時間外労働手当を 4,687円 を支払う必要があります。

 

 

 

まとめ 

就業規則に定額残業手当を控除の対象とすること、また控除する場合の計算方法等を明記しておくことで、定額残業手当は欠勤控除することが出来ます。

その場合でも、実際の時間外労働手当が控除後の定額残業手当を上回った分は、その分の手当を支給する必要があります。